ざるそばとせいろそばの違いとは

ざるそばとせいろそばの違いとは

この記事では

・ざるそばとは

・せいろそばとは

・ざるそばとせいろそばの違いとは

・そば湯とは

・新そばの時期は秋だけではない！？

についてまとめました。

ざるそばとは

せいろそばとは

せいろそばとは、本来蒸し料理に使う調理器具である「せいろ」で麺を蒸し、温かく湯気が立った状態のそばのことです。

これは江戸時代初期の頃の調理法で、現在では本来の形で提供されることは多くありません。

せいろで蒸していた理由としては、当時のそばは、つなぎを使っていなく、切れやすかったからだそうです。

しかし、つなぎを使うようになり、そばが切れにくくなったため、そばを現在のように茹でる調理法へと変わっていきました。
よって、せいろは蒸すという用途ではなく、そばの器として使われるようになりました。

また江戸時代末期、そば屋が幕府にそばの値上げを要求した際、値上げは却下されました。
しかし、代わりに量を減らすことは許されたので、せいろに「すのこ」を敷き、上げ底をしてそばの量を減らしたのです。
これが「盛りせいろ」として提供され、その後「せいろそば」になったという説もあります。

現在の「せいろそば」は、基本的に「もりそば」や「ざるそば」と同じものを指すことが多く、器の違いがあるくらいです。

ざるそばとせいろそばの違いとは

ざるそばとせいろそばの違いは器にありました。

ざるそばは、竹ざるの上に盛ったもので、せいろそばとは、せいろに盛ったものです。

このように現在では器の違い位しかありませんが、江戸時代まで遡ると、違いや名前の由来がしっかりと分かります。

ざるそばは当時すでにあった「もりそば」よりも高級で上質なそばという位置付けで、細くした海苔をかけたり、刻みねぎ・わさびなどを薬味とし、つけ汁につけて食べられていました。

ちなみにざるそばは、もりそばのように茹でたそばを皿などに盛った際に水が溜まってしまうことを防ぐために、ざるに盛って最後まで美味しく食べられるように工夫されたものなのです。

また、当時はつなぎを使っていない“そば”だったので、茹でた時にそばが切れてしまわないよう、せいろで蒸し上げていました。

これをを「せいろそば」と呼んでいました。

しかし小麦粉をつなぎに使ったそばが登場してからは、茹でることが多く、蒸したそばはほとんど見られなくなりました。

 

そば湯とは

そば湯とは、蕎麦を茹でたときの白く少しとろみがある茹で汁のことです。

そばを食べる際に使用したつゆの残りにそば湯を入れていただきます。

そばにはタンパク質や、米や麦には含まれていないポリフェノールのルチン、アミノ酸がバランスよく含まれています。

そば湯にはそのような蕎麦が持つ栄養がたっぷりと溶け出しているため、そば湯を飲むことで、蕎麦が持つ風味を楽しめますし、何より余すことなく栄養を取ることができるのです。

新そばの時期は秋だけではない！？

そばの中には、「夏そば（夏の新そば）」と「秋そば（秋の新そば）」というものがあります。

一般的には秋に取れたそばは「新そば」とも呼ばれており、旬の味わいを楽しむことができます。

夏そばは秋そばと比べて質が落ちると言われていましたが、現在では何度も品種改良を重ねたおかげで味わいが向上し、秋そばに並ぶほど人気です。

地域によって収穫時期が異なるものですが、夏そばの収穫時期は6～8月ごろとなっており、秋そばの収穫時期は9～11月ごろとなっています。

香り高く深い味わいが楽しめる「新そば」。

夏、秋どちらの新そばにも注目してみてはいかがでしょうか。